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続・船酔い広報、船に乗る。

「船乗りの朝は早い」と聞いていましたが、まさかこんなに早いとは。


(前回までのあらすじ)
「魚がうまいまちひたちなか」を伝える組み写真記事に欠かせないかっこいい漁師の写真を撮るべく、漁船に乗って沖へ向かった広報なのでした。

お時間ありましたら、前回記事も読んでみてくださいね▼





AM2:30 起床

アラームを何重にもかけまくり、起床。
とはいえ緊張で全然眠りは浅く、一つ目のアラームでスッと起きれました。

7月末ですが、早朝の、しかも海の上の気候がまったく検討つかず、とりあえず長袖長ズボンに着替え、一応上着もバックにつっこみました。

早起き+緊張で全然お腹は減っていませんでしたが、何か食べなくては酔い止めが飲めない。水産課職員の「船酔いが心配なら、バナナは消化も良くていいよ〜」というアドバイスを思い出し、バナナを(なぜか)2本食べ、酔い止めを飲んで家を出ました。


AM3:30 集合

まずは那珂湊支所で水産課職員と集合。
「水産課職員」って親近感湧かないですね。この後もちょくちょく出てくるので「イソザキ」とします。ちなみにイソザキと担当は同い年(ちなみにがすぎる情報)。

イソザキと二人で磯崎漁港へ。
「酔い止め飲んだ?」
「飲んだ。バナナ食べた」
「そっか。普通に朝ごはん食べてきたわ」
「…」

朝から水産課職員のタフさを見せつけられている間に、漁港に到着。
まだまだあたりは真っ暗。漁師の岡田さんたちの姿はない。持ち物を確認しつつ、車で待つことに。

少し経つと、ブロロロロと中型のトラックが。岡田さんたちだ!
運転席の窓が開いて岡田さんが顔を出してくれました。「おはよう!ついてきな〜」漁港の奥へ向かう岡田さんのトラックに続いて進みます。

船着場の手前で停車。救命具をつけ、長靴に履き替えながら、カバンの中を最終確認。上着に帽子、飲み水。あと、カメラ←


船上にはすでに岡田さんたちの姿が。今日も岡田さんと一緒に乗船。岡田さんがいてくれるってだけで安心感が全然ちがいます。

岡田さんたちもさすがに眠たそうでしたが、なんというか、緊張感がまったくない感じ。朝起きて自分の部屋からパジャマで居間に降りてきた感じ。

昨夜から、いや、一昨日くらいから緊張し続けてすり減りまくりの担当とは大違い。この先どう頑張っても、担当は漁港でこの「居間感」は出せそうにないです。


「それじゃ、準備して出ようか」乗船準備をテキパキと始める岡田さんたち。いろいろな道具を確認したり、エンジンをかけたり。素人には何をしているかわからなかったけど、あっという間にエンジンがかかって、静かだった漁港が徐々に騒がしくなっていきました。

「よーし、出るよ!」岡田さんの声にどきっとしながら、船に乗り込みました。今回はイソザキも同じ船に同乗できたので、岡田さん、助っ人漁師さん、イソザキ、担当の4人が今回の第三岡田丸のメンバーです。

ちなみに第2岡田丸も一緒に出航。こちらには岡田さんのお父さんや息子のダイキくんたちが乗船。2隻で漁場がある沖へ向かいます。


AM4:00 出航

揺れが少なそうな場所を確保。それから、漁をじゃましないかつ足場が安定する場所を見つけてから、座って船が動くのを待ちました。

沖を見ると、水平線のあたりに陽が見えてましたが、陸を振り返るとまだまだ真っ暗。

磯崎の灯台が見えますね

暗い海ってなんかこわい。とか言ってびびる担当をよそに、岡田丸は沖へと進んでいきました。


AM4:15 漁場に到着

漁港を出発して15分ほどで漁場に到着。前日に置いたイセエビを獲るための網(仕掛け)を回収していきます。

少しづつ明るくなってきた空

船の端に装備された「水車」のような装置を回すことで網が引き上げられ、網にかかったイセエビが船上に揚がるという仕組み。

気がつくと、岡田さんと助っ人漁師さんが慣れた手つきでいつの間にか作業開始。追いかけるようにシャッターを切りまくります。


船の上に引き上げられた仕掛け網には、イセエビがたくさん!
「きょうは当たりだよ。運がいいね」と笑う岡田さん。

獲れたてのイセエビに真剣な漁師。そして海。朝焼けも抜群。
船酔いを忘れて、何枚撮っても飽きない。ずっと撮っていたい瞬間でした。


遠くに見えるのが第2岡田丸
朝日が昇ってきた!
運良く岡田さんの向こうに朝日が!
市報に採用された写真

集中して写真を撮り続けた結果、この日はひどく酔うことはなかった担当。勝因は、撮影に必死だったこと、朝の澄んだ空気、岡田さんたちの優しさで間違いないです。


何カ所か近くのポイントを周り、仕掛けを引き上げる作業を繰り返します。結果的に、この日はほんとうに大漁だったみたいです(運がよかった)。

次々に揚がるイセエビ
かかった獲物を船上で網から外していく
大漁ですね
イセエビ以外にもヒラメ(茨城県の魚)などもたくさん獲れました


「いいの撮れた?」
「ありがとうございます!ばっちりです!!!」
「そう。それじゃあ、そろそろ戻ろうか」

岡田丸は磯崎漁港に戻ることに。

帰りも船酔いがなかった担当。クルー(仲間)と酔い止めに感謝しつつも、「もしかして船酔い克服したか…」なんて気分を良くしていました。


AM5:30 帰港

無事漁港に到着しました。陸最高!陸のありがたみを感じます。

そして陸に降りると感じる揺れ。陸酔おかよいってやつですね。
「まだ船の上みたいな感じだ…」それでも陸は安心。陸大好き。陸最高。


とかなんとか感傷に浸っていると、なんだか船に残って忙しそうな岡田さんたち。「まだ作業があるのかな…」と聞いてみると

「いいの撮れてよかったな!じゃあ、また!」

再び出港していく岡田丸

えー!!!どういうことですか!?
聞くと、ほかにも仕掛けのポイントはまだまだたくさんあって、担当たちのために一番近い漁場だけで一旦戻ってくれたそう。

…聞いてなかった。ありがとうございます。優しすぎる。
乗り物酔い克服したとか調子に乗ってた自分がはずかしい。


AM6:00 丘仕事

担当が陸酔いでふらふらしていると、漁港では「おか仕事」と呼ばれる、船から引き上げた網などの仕掛けをほどいたりごみを取ったりするお仕事がはじまっていました。

網を中心にみんなで囲んで作業
竹を使って網を浮かせて作業(なるほど)

みなさんお話しながら楽しそうにお仕事されてました。
話していても手は止まらない、むしろスピードアップしてた感すらあったのはさすがの一言でした…


AM7:00 岡田さんたち帰港

岡田丸真の帰港です。担当たちをおろしてから約1時間半後…
イソザキ曰く、担当たちを一度漁港に降ろしたりして時間や燃料も消費していて、普段だったら漁をしている時間(獲れる魚の量も)はもっと長くとれたのではとのこと。

岡田さんたちは船上で陸仕事

岡田さん、みんなさん、撮影にご協力いただきありがとうございました。
この感謝の気持ちを胸に刻み忘れないことが、いい写真、いい記事、いい発信の原動力になると思っています。


それでは、以上で終わりたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

ではまた〜!

ちなみに、このあと別の日にまた船に乗って漁の撮影に出たんですが、出港後すぐに船酔いしまして、漁港から漁場までの往復約6時間、船の端っこにつかまって( ´ཫ` )し続けました。船酔いはそう簡単には治りませんね。

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