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音オタク ✖ 金属加工職人 ~BtoB + BtoC = 「両利きの経営」への挑戦 ~

はじめまして、商工振興課の大澤です。
何やらひたちなか市の公式noteが盛り上がっているとのこと。
ちょっと出遅れてしまいましたが、
商工振興課でも記事を書いていきますので、よろしくお願いいたします!

私たちの記事では、市内の中小企業者さんの紹介をしていきます。
名前は知っているけど、意外と知らない
 あんな企業 や こんなお店 などなど
紹介していきますので
読んでいただけると嬉しいです( ˙ ˘ ˙  )


突然ですが・・・

シールドケーブルってご存じですか。
楽器とアンプ(音響機器)をつなぐコードのようなものです。
普段、音楽をたしなむ方はよくご存じかもしれません。
トップの画像もシールドケーブルです。

色とりどりのシールドケーブル

実はこのシールドケーブル
(以降、シールドケーブルは「ケーブル」と表記させていただきます。)
市内のとある企業さんが独自の技術で製作されているんです!!
ケーブルってたくさんあるのですが
今回ご紹介するケーブルは
楽器によって使い分けるモノなんです。
一本一本の作りが違っていて、
その音源がもつ音の魅力を最大限に引き出すケーブルとなっています。

エレアコであればエレアコの良さを
ベースであればベースの良さを
最大限に引き出してくれるんです!
(エレアコとはエレクトリックアコースティックギターの略です)

いわゆる
ハイエンドシールドと言われる高価格帯の商品ですが
音の良さを引き出せるからこそ
あれこれエフェクターをつないで音作りするよりも
「アンプ直結」漢気おとこぎスタイルのプレイヤーにも
刺さるケーブルなんです!

その名も

Herzoedio(ヘルゾエディオ)


ドイツ語で「心の音をデザインする」という意味が込められています。
ネーミングのセンスが光っていらっしゃっていて・・・
素敵な名前ですよね - ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́-

なぜ音の魅力を最大限に引き出せるのか
それは、作っている企業さんに秘密があります。
その企業さんは
高陽精行こうようせいこう 株式会社さんです。

高陽精行さんは金属加工業を営んでいらっしゃいます。
こちらの社長さん根本尚幸たかゆきさんは
大の音楽好きの音オタクとのことで
金属加工業で培った「職人の技」と「音への熱い思い」
このシールドケーブル「Herzoedioヘルゾエディオ」を生み出しました。

楽器を弾く多くの人は
「この楽器からはこんな音が出るはず!」と
その音のイメージを持っているんだとか。

Herzoedioヘルゾエディオ
そのイメージと実際の音を限りなく近づけるため
「音」に対して「金属の性質」「ケーブルの構造」など
ケーブルを構成する部材の特徴と関係性を研究、組み合わせることで
イメージ通りの音を引き出しているんです!

金属加工職人だからこそなせるワザですね。

そんなケーブルを生み出せたのも
金属を知り尽くしているからこそ
音の魅力を知っているからこそ
だったんですね。


今回はその高陽精行さんについて取材をさせていただきました。

取材に応じてくださったのは
代表取締役の根本 尚幸たかゆきさんと
専務取締役の根本 晃子あきこさんです。
ご夫婦で経営されています。


左が根本晃子さん  右が根本尚幸さん  笑顔が素敵なお二人・・・

こちらのご夫婦が本当に仲が良くて、
お二人で楽器を演奏されて、バンドも組んでいらっしゃるんだとか。
本当に素敵なご夫婦でした。

高陽精行こうようせいこう株式会社

高陽精行さんは
昭和52年に「幸洋製作所」として創業され
平成28年に今の「高陽精行株式会社」へ
そして
令和元年に現社長 根本尚幸さんが就任されました。


事業内容

様々な産業で使われる精密部品の切削加工を行っています。
小さな会社でありながら
高精度な加工技術を持っており
様々な形状や素材の加工に対応しています。

ただ一言で 金属を加工する と言っても
まっすぐ、ゆがませることなくきれいに切断したり、切削加工したり
また、精度を保ちながら
複雑な形状や美しい曲線に削り出すのはとても難しく
素材の原料や形状によってその技術は様々で
機械の力だけでなく、人の技術力も重要なんです

高陽精行さんは職人の方々の技術力があるからこそ
様々な形状や素材に対応できるんですね。


「図面の向こう側にお客様」

そして、技術力だけではなく
「図面の向こう側にお客様」をスローガンに
お客様の声に寄り添って製品を製造しています。

注文を受け、納品して終わり・・・ではなく
その製品の管理や品質保証、その先のお客様の要望に応えていくのが大切だと尚幸さんはおっしゃっていました。

「管理」や「品質保証」については特に力をいれており
最新の検査機器を導入したり、検査員の育成に力を入れたりと
高品質で高精度な製品の安定した提供を心がけています。
その「管理」「品質保証」はケーブルにも・・・

なんと
製造されたケーブルの一本一本には
シリアルナンバーがついていて、メンテナンスが可能なんです!

普通のケーブルは日々劣化していく消耗品ですが
こちらのケーブルは品質保証もしてくれるので
定期的にオーダーすればケーブル内のリフレッシュもしてくれるそうです。
ここも他のケーブルと違っている点ですね。

高陽精行さんではケーブルに限らず
このように製品一つ一つを丁寧に管理されているため
メンテナンスはもちろん
取引先の企業さんからあらゆる要望があっても
柔軟にすぐ対応することができるんです。

 うちみたいな規模の小さい会社だと、生き残るすべを自分たちで考えていかないと、本当に生き残っていけない、厳しい時代に突入したなと思います。
 大きい企業さんの仕事をたくさんやっていますが、その企業さんも形をどんどん変えてきている中で、それにどう対応していくか。もしくは自分たちの強みを作って、アピールしつつ、対等に仕事ができるようにならなければならない。
 その中で、「品質の管理」を今後強化していくために、限られた資金で工夫しながら、測定器を導入したり、みんなで話し合ったり、生き残るすべを自分たちで考えているところです。
 ただ図面が来て作るだけではなくて、お客様の立場に立って物を作るということを第一に考えて製品を提供しています。

熱い思いを語る 根本尚幸さん

陰の立役者

それから
今回紹介したい方がもう一人・・・

この取材には「産業活性化コーディネーター」の水谷啓一さんにご同行いただいていました。

右が水谷さん

ひたちなか市のコーディネーターさんは5人いらっしゃるのですが、
水谷さんは高陽精行さんを担当されています。

高陽精行さんの事業課題や新たな挑戦などを
一緒に取り組んでいらっしゃいます。

今回のケーブルに関する事業や
そのほか事業課題などのフォローアップをされています。

水谷さん含むコーディネーターさんは、市内の様々な中小企業をまわり、
企業さんの抱える課題を一緒に解決したり
企業さんと企業さんの橋渡しをしたり・・・
様々な角度からフォローしてくださっています。

詳しく知りたい方はぜひこちらをご覧ください ↓↓


最後に

尚幸さんのお話から
お客様へ寄り添う思いはもちろん
時代に合わせて日々挑戦し努力し続けていらっしゃる姿がうかがえました。

今回のケーブルも挑戦の一つだったんですね。

今までBtoBのみだった事業からBtoCへ一歩踏みだし、
失敗も糧にしながら
模索しつつも、
たくさんの方々と協力しながら
話し合いながら
一歩一歩挑戦されているように思いました。

これからも
高陽精行さんの「両利きの経営」への挑戦に注目ですね ٩(ˊᗜˋ*)و”

最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも、市内企業を紹介していきますので
次回もお楽しみに!

 


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